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もう時間がないんだ、と孫兵が言った。性急に落ちてきた唇を受け止めながら、どうして時間がないんだろうなんて思った。遠くで夏の終わりを告げる蝉が鳴いていた。泣きそうな顔でこちらを見下ろした孫兵はこの音をどう聞いているのだろうか。
二人がこの場所で過ごせる時間が残り少ないと言うのなら、仕方ない。日々が過ぎていけばこの場所に守られてばかりじゃいられなくなる。それでも二人は一緒にいられると思っていた―思っている。けど孫兵はそうは思わないかもしれない。手を離さなきゃいけないと思っているのかもしれない。ぎゅ、と思いきり掴まれた手はぎりぎりと痛んだけれど、孫兵と自分の気持ちの違いに気がついた痛みよりかは気にならなかった。

「時間なら、あるじゃないか」

せめてもの抵抗のように言う。どうか気づいて欲しいと思う。どうして、と孫兵が言う。どうしても、と答える。答えになってないよ、左門、孫兵が力なく笑った。卒業したら僕たちはきっともう、会えないよ、なんて呟いて目を伏せる。

「孫兵が手を離したくても、私は離す気はないぞ？」

もう君なしでは生きられないのは自分だって一緒なのに。やさしく握り返した手から伝わる気持ちが早くどうか孫兵の心の臓に届いてくれればいいと思う。やってみなきゃわからないだなんて不確かな確信じゃない、孫兵といればきっと何だってできることは動かしようのない事実なのだから。


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書きたいこと詰め込んだら長くなった＾ｐ＾
食満と伊作はなんだかんだでお互い「しかたないよ」っていって別れちゃいそうだよなぁとかけど左門は絶対に「離す必要なんてないだろ」って言って孫兵をメロメロにさせるんだろうなとか思ってたら出来上がりました。


ところでKzさんのミク曲「ファインダー」って孫さもに聞こえません・・・よね！わかってますすいませんすいません久々に聞いたらあれこれまごｓ（ｒｙ　ってなっただけです。頭が残念ですいません＼(^o^)／

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「おー！！」

まごへい、はねるはねる！楽しそうに左門が笑うのでつられるように笑い返して肩から提げていた荷物を下ろした。左門がぴょんぴょんと転がるベッドの向こう側にある窓の向こうには蒼い空が広がっている。10階って高いな！と左門はまだ楽しそうだ。そうだね、と返して眼下に広がる世界を見た。いつもいる場所と似ているようで全く違う世界。
―旅行なんて疲れるだけだからしたくないのだけれど、それでも左門がこうやって笑うならそれでもいいかな、と思えるから不思議だ。あんまりはねちゃだめだよ、左門。注意には勢いの足りない声で言う。左門はおう、と答えたけれどやめる気配はなかった。


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左門は絶対にベッドにダイブするタイプだと思う。

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「あ」

つい、声が出てしまった。急いで口を押さえたけれど近くで逃げた虫を一緒に捜索していた竹谷先輩には聞こえてしまっていたらしくてにやりと笑われた。あぁもう、失敗だ。

「神崎か？」

竹谷先輩の視線も自分の視線も同じ方を向いている。暮れかけた太陽が作る長い影をひきつれて走っているその人を二人でしばらく眺める。少し遠くで跳ねるその姿に、またにやにや笑われるだけだから駄目だと思うのに勝手に頬が緩んだ。

「―おうおう、あいつどこ行く気なんだろうなぁ」

なぁ、と竹谷先輩がまだ笑う、左門はいつの間にか食堂も長屋もない方向に進路を向けていた。見なくてもわかる竹谷先輩のにやにや笑いを思い浮かべつつ「今日はちょっと失礼させていただきます」と叫んで走り出した。がんばれよーと楽しそうな竹谷先輩の声が聞こえた気がしたけれど、きっと気のせいだということにしておいて、そうしてスピードが上がっていく左門に追いつけるように加速した。


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孫さもは竹谷公認だといい。

EasyPopさんのルカ曲「なきむしのはつこい」がだんだん孫→←さもに聞こえる気がする自分はもう駄目なのかもしれないと思います。いやけど、さくべたちといてもふとした瞬間にまごへのことを思い出してなにも手につかなくなる左門とか、左門の好きなものは全部好きになるまごへとかよくないですかそうでもないですか。