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きみに伝えたいことはこんなにあるのに。


自分が人と付き合うのがうまくないことくらい知っていた。だから人とかかわらないようにできるだけ暗がりにいた。楽に息ができる暗く湿った場所には自分と物言わぬ虫たちしかいなくてそれはとても満たされた世界だった。それはずっと、自分が死ぬまで続いていく、はずだった。
―そのはずだったのに。
左門といると、左門が笑うと、世界が変わっていく。
暗がりだった世界は柔らかな光に満ちていく。湿った空気をさらうみたいに、緩やかな風を呼び寄せる。光に照らされた世界は暗がりで見る色鮮やかさとはまた違った色彩を帯びて、それがひどくきれいだと思った。
まごへい？不思議そうな声音でこちらを見上げた左門に困ったように視線を向ける。左門はそれをどう取ったのかにっこりと笑った。世界の中心で眩しい光を放つみたいに、左門がにっこりと笑う。ほら、また世界が変わる。
―左門に伝えるべき言葉がたくさんあるはずなのにどうしても見つからないから、その手を引いてその唇をそっと塞いだ。


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You and beautiful world/ゆよゆっぺ

ゆっぺさんのこの曲が好きすぎてどうしたらいいかわからない。
というかゆっぺさんの作る曲が毎回好みすぎてどうしたらいいかわらかない。

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三郎はよくこちらの心臓の音を聞きたがる。今もそうだ。締め切った二人きりの部屋はひどく静かで、ただ二人分の呼吸の音だけがあった。たのしい？と聞くと、んー・・・となんともいえない返事をされたからどうしようもないなぁ、という顔を作って笑って見せた。

「雷蔵、好きだよ」

とくんとくんと溶けあう心臓の音にぽつり、と三郎が言葉を落とす。この心音に溶けてしまえればいいのに、と思うくらいに、と続けた小さな声は聞こえなかったことにした。


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きみの探してた心臓はここにあるよ（遠吠え）

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寒いな、と思って空を見上げたらひらはらと白いものが降ってきた。あぁ、とため息をつこうとすると隣にいた左門が嬉しそうに「雪！」と言ったから、ため息は引っ込んでその代わりに笑いがこぼれた。あぁもう、どうして左門はこんなにかわいいんだろう。
昔は冬なんて大嫌いだったけれど今はそうでもない。「左門」そう呼んで右手を差し出す。寒いでしょ？なんて言葉をつければ完璧だ。にっこりと笑った左門は左手で右手を掴んだ。はらひらと舞う雪がむき出しの頬や鼻やつながった手に触れて少し冷たい。
「どうして雪はふわふわしているのに冷たいんだろうな」と左門が不思議そうに言うからきっとそれは僕と左門が手をつなぐためだよって言ったら少し考えて確かにそうかもな、と雪を溶かす太陽みたいな暖かな笑顔を作った。


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改行の迷子具合が半端なさすぎる・・・。