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「改行が」じゃなくて「改行も」じゃないかと思う今日この頃
06.29 *Sun
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01.31 *Mon
 恋の涙。
頭の芯から冷える。


今日は木←勘です。ちょこっとサイトの方にうpしてある『忍び恋』と繋がっているようなそうでないような。
たまたま漁ってたら発掘した和歌を使ってみたかっただけという。



『人知れずわれ恋ひ死なばひとすじのけぶりとなりて君焦がすかな』


 倒れ込んだ雪の中は冷たかった。しんしんと身体の奥までしみ込んでくる冷たい痛みは、だけど先生を思う気持ちよりも痛くない。雪の中から睨みつけるように見た裏裏山は白くかすんでおぼろげにしかその輪郭がわからない。あの夏、先生が言った言葉を反復する。「死んで煙になって、初めてその恋が伝わればいい」頭の中をがんがんと響くその言葉はじわりとこの寒さには似合わない熱い涙をこぼさせた。

「先生」

 今死んだら、きっと凍死じゃなくて恋死にだ。だって、心臓をこんなにも締めあげて息を苦しくさせるのは木下先生の面影にほかならないのだから。もう一度裏裏山の方を見た。あの向こうの方に人を焼いた野があると言う。ここで死んだらそこで焼かれることになるのだろうか―その煙は、先生の心を少しでも焦がしてくれるだろうか。そんなバカなことばかりを考える。



伊勢89段『人知れずわれ恋しなばあぢきなくいづれの神になき名おほせむ』
本歌取りなんて簡単簡単なんて思ったら大間違いなんだぜ!基本的に本歌の背景をきちんと知っていて、その歌を詠みこむことによってさらに歌に意味を持たせられるっていうのが本歌取りの本質だと思っているんですが、そんな高度な技使えるわけないよね! 
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