「改行が」じゃなくて「改行も」じゃないかと思う今日この頃
♥ 常にBボタン
ネタが・・・つきた・・・ばたん。
こっそり2010年絵師進化録ならぬ文字書き進化録に便乗。
長い上にごちゃまざってます。一応全部rkrn。
ちなみにこれをやられているの見る前に10年分版をやってみようと思ったんですが恥ずかしすぎて爆発しそうなのでやめることにしました。
こっそり2010年絵師進化録ならぬ文字書き進化録に便乗。
長い上にごちゃまざってます。一応全部rkrn。
ちなみにこれをやられているの見る前に10年分版をやってみようと思ったんですが恥ずかしすぎて爆発しそうなのでやめることにしました。
*
【1月】
ちゃちなベッドのスプリングが軋んで二人分の重みを受け止める。べたーっとこちらの腹の上に乗っかってきた同居人―伊作は少し酒臭い息をこちらの耳に当てながらもう一度「とめさぶろーだっ」と嬉しそうにこちらの名前を呼んだ。目があうとにへらと笑われたから睨んでやる。だけれど酔っ払いには効果がないようでやっぱりにへらと笑ったままだ。そうしてまた名前を呼んでくる。
【2月】
ちらりと振り返って見えた孫兵の顔も仕方ないなぁという風を装ってはいるけれど楽しそうで、それが余計に足を動かす力になって、早まる足に「左門」と苦笑気味に声が届くけどうまくペースを緩められずやっぱり笑われた。
今こんなにも幸せで幸せで仕方ないのはこの手をつないでいるのが孫兵だからってことくらい、ちゃんとわかっている。とくん、と高鳴っていく心臓だって走っているだけじゃないことくらいきっと孫兵にだってばれてるんだろうな、と思った。
【3月】
起きるのもなんとなくめんどくさくて、その笑みを見つめながら左門に聞く。おう!と嬉しそうに答えた左門はこちらにもう一度眼を瞑ることを要求してきた。どうして、と聞くとなんでもいいから、と妙に楽しそうに言うから、その眩しさをまだ見ていたい気もしたけれど大人しく目を瞑る。
【4月】
「僕たちって毎日どれくらい会話してる?」
「は?」
酔っ払っていないのに、よくわからないことを言い出すのは伊作にはよくあることだ。それを言うと留さんだって意味わかんないことよく言ってるじゃん、と口をとがらすけれど。なんだそれ、と真意を問いただす言葉を発したけれど、伊作はねぇどれっくらい会話していると思う?と同じ質問を重ねてきただけだ。
【5月】
痛いのはどこだろう。
はらはら、はらはらと涙が落ちる。止めようと思うのに止められなくて、畳の上にぼとりぼとりと水の跡が出来た。兵助が心配そうに「勘ちゃん、」と言ってくれたけれど言葉で答えることはできずに、ただ、無理やり笑った。きっといびつな笑顔だっただろうな、と思う。その間も始終涙は止まらなくて、頬を濡らした。兵助は困ったような顔でこちらを見て、それから躊躇を示しながらもそっと、その右手を、なめらかな指先をこちらの頬に這わせた。
【6月】
光の中、静かにその声が耳を撫でた。今日も?聞き返す。そっと手を伸ばして光に埋もれるその輪郭に触れる。そぉっとあごのラインをなぞるとくすぐったそうに笑って、笑って、笑って、その笑いが伝染してきたのか勝手に頬が緩んでいくのが自分でもよくわかった。
【7月】
僕たちが運命共同体なんだ、と伊作が言うから「え?」と顔をあげる。先ほどまでくだらないニュースで騒いでいた液晶はいまは星占いのコーナーだった。今日のラッキーカラーは白。どうやらすでに12位の発表まで終わっていたらしいそれは12位のラッキーカラーだけを教えて、ぷつんとCMに移った。
【8月】
ぱたぱたとなにも履いていない足をばたつかせる。季節はすでに夏も真ん中まで来ていて、興味本位に素足で触れた地面はざらりと熱を持っていた。縁側は影になっているとはいえ、太陽が権勢をふるっているこの時期ではやっぱり暑い。時折どこからともなく吹くささやかな風が額に落ちる汗を冷やして、どこかの部屋の軒先にかかっているのだろう風鈴に涼やかな音をたてさせた。蝉しぐれが妙にうるさい。
【9月】
「なぁ、はち」
「んー?」
「帰ったらちゅーしよっか」
さざ波のような笑いとともに落ちてきた言葉に「え?」と驚いて振り返ると案外近くにいた兵助が突然止まらないでよと文句を言う。言葉とは裏腹にへにょりと柔らかな笑みを浮かべている兵助に心臓がさらに、さらに早くなっていくのがわかる。からかわれてる、そんなことはわかるのだけれど―「だから、早く帰ろう」と言って先ほどとは逆に兵助がこちらの腕を引いて歩き始めた。
【10月】
雷蔵に振り向いてもらえないのが怖いから、呼ばない。そんなことを言ったらまず怪訝な顔をされて、それから臆病者と罵られるんだろう。もちろん当の雷蔵本人にも。甘やかすようにこちらの頭を膝の上にのせた雷蔵の、その肩に触れることすらためらうことがあるだなんて言ったら笑われるか、冷たい目で見られるか、そのどちらかでしかないことはわかりきっていた。近くにいれば名を呼ぶことも、触れることも、甘えることも簡単にできるのに少し離れてしまうとそれが出来ないのはなぜだろう。
【11月】
キスしようよ。そういって伊作が向けてきたのは今日いろいろなところでもてはやされているチョコがけの細い棒。ご丁寧にチョコのかかっている先端がこちらに向けられている。もう片方の端はすでに伊作の口の中だ。
「ポッキーゲーム?」
にやりと笑って聞くとたまにはおもしろいでしょう?なんて赤い箱をガサガサと鳴らす。開けたばかりの袋の中にはぎっしりとポッキーが詰まっている。どれだけキスをする気なんだろう、なんて思いながらまずはひとつ、唇を奪うのに専念することにした。
【12月】
緩やか、触れる頬。困惑した表情、なぞるしわ。唇が動いた、「なんだそれ」。もう六年もそばにいるのに何度触れてもそれは特別な感情を揺り動かす。その声が、指が、温度が、全部が、まるで僕の生き死にを決めるかのような働きをすること留三郎は知っているだろうか。知っていてほしいと思うのは、僕のわがままなのかもしれないけれど。
*
うーん・・・進化ってなんだ。
ネタ元のお二人、勝手に使ってすみません。
【1月】
ちゃちなベッドのスプリングが軋んで二人分の重みを受け止める。べたーっとこちらの腹の上に乗っかってきた同居人―伊作は少し酒臭い息をこちらの耳に当てながらもう一度「とめさぶろーだっ」と嬉しそうにこちらの名前を呼んだ。目があうとにへらと笑われたから睨んでやる。だけれど酔っ払いには効果がないようでやっぱりにへらと笑ったままだ。そうしてまた名前を呼んでくる。
【2月】
ちらりと振り返って見えた孫兵の顔も仕方ないなぁという風を装ってはいるけれど楽しそうで、それが余計に足を動かす力になって、早まる足に「左門」と苦笑気味に声が届くけどうまくペースを緩められずやっぱり笑われた。
今こんなにも幸せで幸せで仕方ないのはこの手をつないでいるのが孫兵だからってことくらい、ちゃんとわかっている。とくん、と高鳴っていく心臓だって走っているだけじゃないことくらいきっと孫兵にだってばれてるんだろうな、と思った。
【3月】
起きるのもなんとなくめんどくさくて、その笑みを見つめながら左門に聞く。おう!と嬉しそうに答えた左門はこちらにもう一度眼を瞑ることを要求してきた。どうして、と聞くとなんでもいいから、と妙に楽しそうに言うから、その眩しさをまだ見ていたい気もしたけれど大人しく目を瞑る。
【4月】
「僕たちって毎日どれくらい会話してる?」
「は?」
酔っ払っていないのに、よくわからないことを言い出すのは伊作にはよくあることだ。それを言うと留さんだって意味わかんないことよく言ってるじゃん、と口をとがらすけれど。なんだそれ、と真意を問いただす言葉を発したけれど、伊作はねぇどれっくらい会話していると思う?と同じ質問を重ねてきただけだ。
【5月】
痛いのはどこだろう。
はらはら、はらはらと涙が落ちる。止めようと思うのに止められなくて、畳の上にぼとりぼとりと水の跡が出来た。兵助が心配そうに「勘ちゃん、」と言ってくれたけれど言葉で答えることはできずに、ただ、無理やり笑った。きっといびつな笑顔だっただろうな、と思う。その間も始終涙は止まらなくて、頬を濡らした。兵助は困ったような顔でこちらを見て、それから躊躇を示しながらもそっと、その右手を、なめらかな指先をこちらの頬に這わせた。
【6月】
光の中、静かにその声が耳を撫でた。今日も?聞き返す。そっと手を伸ばして光に埋もれるその輪郭に触れる。そぉっとあごのラインをなぞるとくすぐったそうに笑って、笑って、笑って、その笑いが伝染してきたのか勝手に頬が緩んでいくのが自分でもよくわかった。
【7月】
僕たちが運命共同体なんだ、と伊作が言うから「え?」と顔をあげる。先ほどまでくだらないニュースで騒いでいた液晶はいまは星占いのコーナーだった。今日のラッキーカラーは白。どうやらすでに12位の発表まで終わっていたらしいそれは12位のラッキーカラーだけを教えて、ぷつんとCMに移った。
【8月】
ぱたぱたとなにも履いていない足をばたつかせる。季節はすでに夏も真ん中まで来ていて、興味本位に素足で触れた地面はざらりと熱を持っていた。縁側は影になっているとはいえ、太陽が権勢をふるっているこの時期ではやっぱり暑い。時折どこからともなく吹くささやかな風が額に落ちる汗を冷やして、どこかの部屋の軒先にかかっているのだろう風鈴に涼やかな音をたてさせた。蝉しぐれが妙にうるさい。
【9月】
「なぁ、はち」
「んー?」
「帰ったらちゅーしよっか」
さざ波のような笑いとともに落ちてきた言葉に「え?」と驚いて振り返ると案外近くにいた兵助が突然止まらないでよと文句を言う。言葉とは裏腹にへにょりと柔らかな笑みを浮かべている兵助に心臓がさらに、さらに早くなっていくのがわかる。からかわれてる、そんなことはわかるのだけれど―「だから、早く帰ろう」と言って先ほどとは逆に兵助がこちらの腕を引いて歩き始めた。
【10月】
雷蔵に振り向いてもらえないのが怖いから、呼ばない。そんなことを言ったらまず怪訝な顔をされて、それから臆病者と罵られるんだろう。もちろん当の雷蔵本人にも。甘やかすようにこちらの頭を膝の上にのせた雷蔵の、その肩に触れることすらためらうことがあるだなんて言ったら笑われるか、冷たい目で見られるか、そのどちらかでしかないことはわかりきっていた。近くにいれば名を呼ぶことも、触れることも、甘えることも簡単にできるのに少し離れてしまうとそれが出来ないのはなぜだろう。
【11月】
キスしようよ。そういって伊作が向けてきたのは今日いろいろなところでもてはやされているチョコがけの細い棒。ご丁寧にチョコのかかっている先端がこちらに向けられている。もう片方の端はすでに伊作の口の中だ。
「ポッキーゲーム?」
にやりと笑って聞くとたまにはおもしろいでしょう?なんて赤い箱をガサガサと鳴らす。開けたばかりの袋の中にはぎっしりとポッキーが詰まっている。どれだけキスをする気なんだろう、なんて思いながらまずはひとつ、唇を奪うのに専念することにした。
【12月】
緩やか、触れる頬。困惑した表情、なぞるしわ。唇が動いた、「なんだそれ」。もう六年もそばにいるのに何度触れてもそれは特別な感情を揺り動かす。その声が、指が、温度が、全部が、まるで僕の生き死にを決めるかのような働きをすること留三郎は知っているだろうか。知っていてほしいと思うのは、僕のわがままなのかもしれないけれど。
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