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季節はいつの間にか春から夏へと移り変わろうとしている。くすんだ青色の空は、だいぶ遠くなったなと思う。ごろり、と寝転がったせいで立ち上る草の匂いも来るべき夏を感じさせる気がした。日差しだけはまだ柔らかに降り注いでこちらの眠気を誘う。

「いい昼寝日和だね」

大きなあくびをしながら空を眺めていると、突然影が差してそんな声がかかる。その声にそうだな、と答えてもう一度あくびをするとくすりと笑いを落としたその人は、すとんとこちらのとなりに座った。こちらを見る目は柔らかで、やさしい。今の日差しの温度に、よく似ている、と思った。

「雷蔵も寝る？」

今なら私の腕を貸してやろう、と言って彼の方に自分の右腕を差し出す。びっくりしたように目を開いた彼はそれでもすぐに「三郎はばかだなぁ」と甘く甘く、日差しよりも柔らかなくらいの笑顔で笑って、そうしてこてんとこちらの腕に頭を乗せた。同じ高さで視線を合わせて、雷蔵の眼の中にいる自分は雷蔵の甘さなんか比べ物にならないんじゃないかっていうくらいにとろけた顔で笑っていた。
しびれたらいってよね、と雷蔵が言う。―きっとしびれたって雷蔵の重みのせいだったらそれは心地よいしびれだろうな、なんて思ったことは言ったら気持ち悪がられるだろうから言わないけれど！

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柔らかな光が障子越しにまぶたを叩くからゆっくりと目を開けた。ぱちぱちと何度も瞬きをして明るさに目を慣らす。いつもならとっくに起きている時間だったけれど、今日は休日だから少しくらい寝坊しても問題はなかった。柔らかな空気に、起きたばかりだと言うのにあくびが漏れた。こてんと寝返りを打つ。柔らかな茶色の髪の毛が視界に入った。すぅすぅと寝息を立てて自分と同じ顔をしたその人はまだ寝ているようだった。いつもだったらその人―三郎の方が自分よりも早く起きているので長年一緒に寝起きをしているけれど、こんな明るい光の中で寝顔を見るのは珍しい気がした。
手を伸ばして頬に触れてみたいと思ったけれど、気配に敏感な彼をきっと起こしてしまうだろうからやめて、その横顔を見つめることにする。こちらと同じ顔をしている彼は、軽く閉じた瞼のせいかいつもより幼い。かわいいなぁだなんて思ってしまう自分が、それでも嬉しいだなんてどうかしているな、と思いながらもうすぐ開くだろうそのまぶたを見つめた。


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最後の方無理やり足したのでだいぶ中途半端ですいません＼(^o^)／

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「雨、やまねぇな」

土砂降りの雨が地面をえぐっていた。灰色の空は途切れることなく続いていて、もう半時ほど降り続いているだろう雨はやむ気配すら見せない。隣にいる竹谷がため息をついた。突然の雨に逃げ込んだあまり広いとは言えない洞窟にはただただ、雨音だけが反響していた。

「けど、急いで帰らなきゃいけないわけじゃないし」

たかだか学園長のお使いだろう、と言うとまぁそうだけど、と竹谷が頭をがしがし掻く。髪の毛についた水滴が飛んできたから「冷たい」と文句を言うとわりぃわりぃ、とあまり誠意の感じられない態度で謝られた。ちらり、と見上げた竹谷はまだ空を見ている。どうせ二人っきりだからこっちを見てくれればいいのにだなんて言えたら苦労はしないのだ。


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Rain*Sweet*Umbrella/U-skeP
アペンドミクさんはんぱねぇっす。