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「改行が」じゃなくて「改行も」じゃないかと思う今日この頃
04.20 *Sun
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11.14 *Sun
 一年!
忍たまをサイトのジャンルとして扱い始めてから一年がたちました。
最初のころと比べればだいぶ落ち着いてきたかなぁという感じがしますが、いまだきゅんきゅんしたり萌え萌えしたりと忙しいです。本当に、この一年いろんな方との出会いがあってこんなに幸せでいいのかなーと毎日思って生活しています。

リアルの恋を忘れるくらいに。

・・・うん、そう、忘れてたんだ自分!片想いだったとはいえあんなに周りに迷惑をかけて邁進していたのに!そんなわけでオフ友にはいろいろと思うところもあると思うのですが、みんないつも仲良くしてくれて本当にありがとうううう!これからも仲良くしてやってください!笑

そして訪れてくれた方、仲良くしてくれている方、本当にありがとうございました!二次創作サイトを持ち始めて8年くらいになるんですが、一番充実した一年だったのかもしれないなぁと思います。これからも全身全力、妄想大爆発していくのでお暇な時にでもちらりと覗いていただけると嬉しいです。

まずは木勘企画!書くぞ!


そしてついったろぐですいません。食伊竹くく鉢雷。
唐突に140字を呟くbotのようになりたくなった産物です。
今回はちょっと文章いじったりなんだりをしてます~そして非常に長いですすいません。

▽食伊

(ポッキーの日の名残り)


「初めてキスしたときのこと、覚えてる?」

たばこよろしくポッキーをくわえた伊作がそんなことを言う。溶けたチョコレートが唇の端についていて、だからポッキーは無視してそこをぺろりと舐めてやった。

「ばか、そこじゃないでしょ」

そう伊作はけらけら笑ってポッキーの先を器用にこちらに向けた。だからわがままだなぁと差し出されたその端をかじった。「なんで細い奴なんだよ」折れてしまいそうなそれに文句を言うとその方がスリリングでしょうなんてわかるようでわからない返事。合図もせずに向こうの端が消え始めたから慌てて口を動かし始める。早くしないとチョコレートの部分が根こそぎ伊作に持っていかれてしまう。そっと仰ぎ見た伊作のまつ毛は揺れていて、なんとなく扇情的だ。今日はきっとポッキーの甘さに酔いしれる一日になるだろう。ぽきりと噛み砕く甘さは、だけど伊作の唇の甘さにはきっと勝てないのだ。

 

柔らかな光に急かされるように目を開く。目前に広がるのは柔らかそうな茶色の髪。視線が合ったその髪と同じ茶色の瞳はいつから起きていたのか、楽しそうな色をしていた。

「留三郎、ポッキー食べる?」

昨日使いきったはずのポッキーがどうやら残っていたらしい。無言で差し出されるままにそれをくわえる。そんなこちらに伊作はにっこりと、夜とは違った笑みを浮かべた。

「ポッキー見るたびに思い出しちゃいそう」
「・・・・・・自分の痴態を?」

間を置いてそういうと精一杯呆れた顔を作った伊作は「ばか、留三郎のだよ」といった。しばらく無言で見つめあったけれどにらめっこに負けるのはいつも伊作だ。しばらくの沈黙のあとからからと笑いだした伊作は「もう、ポッキーは罪作りだなあ」なんていうから責任転嫁を責める代わりに今日一度目のキスをした。





「伊作」

情事を激しくした次の朝、留三郎の僕を起こす声はかすれていて甘い。ゆるやかに目を開く、朝の光に浮かぶのは昨日の夜とは違う艶めかしさを持った留三郎の身体で、それはどこか神聖な気がした。「おはよ…」そう言うと緩やかに右手の人差し指が頬に触れて、幸せな気持ちでまた目を閉じる。「おい」と笑う声が聞こえたけれどもう少しその声に揺られていたいから、目はあけないままだ。





からころからころ。わざと落葉を踏んで歩く。真正面から吹く風は冷たい。隣の留三郎はすべってこけるぞ?と呆れ顔だ。だから大丈夫だって、と笑った途端落ちていた枝に足を取られた。「ほら、こけるし」倒れないようにこちらの腕を引いてくれる留三郎がいるから問題はないような気がするんだけど。





留三郎が先生だったら90分の講義なんてたりないくらいだろうと思う。最初の30分は全身をくまなくチェックする時間。残りの60分も黒板を埋める留三郎の手とか、脳を揺るがすその声ですぐに過ぎ去ってしまう。そう言ったら真面目に講義受けろよ、と笑われた。愛を伝えるのはやっぱり難しい。





さぼろうかな、なんて伊作が言うから顔を顰めてみせた。なぜかにやにや笑っている伊作はなにか言葉を待っているらしい。「……お前いないとさみしいだろ?」だからさぼんなよ。予想外の言葉だったらしいそれに驚いた顔をした伊作は、照れたのだろう、俯いて仕方ないなあなんて言うのだ。





「どこ見てるのさ、留三郎」

駅の階段は危険。少し前を向くと目の前を歩くちょっとけばけばしい女の子のふとももがちらり見え隠れ。留三郎はどちらかというとむっちりした女の子が好きだ、柔らかい女の子が。そんなことはないと否定するけれど視線の先がどこに向かっているかわからないほどばかじゃない。留三郎の視線もなにもかも自分の方に向いていなければ気が済まないくらいには嫉妬深いのだ、僕は。留三郎は僕の嫉妬深差に気が付いていない。
そのことになぜか腹が立つ。だから「別に何もみてねぇよ」と言う留三郎に「僕の足のほうが見応えも触りがいもあると思うよ」なんて挑発的な言葉をぶつけてみせる。はあ?と疑問符を飛ばす留三郎の視界にはいま、僕一人だ。





僕、留三郎に王子様を求めてるわけじゃあないんだよね。二人の空間、スナック菓子を咀嚼しながら伊作がそんなことを言う。そもそも男の伊作が王子様を待ち望んでいることがあったらおかしいわけでだから「知ってるけど」と答える。こちらの答えに不満そうに頬を膨らませた伊作は薄っぺらいスナック菓子をこちらに向けて全然わかってないよ、と頬を膨らませた。





今日の月は半月。留三郎の食べてしまったお饅頭みたいと笑っていうとなんだそれ、と軽く頭を叩かれた。夜のお散歩は最近の僕たちの日課だ。冬の始まりを感じさせる冷たい風に歯向かうように手をつないで見知った道も知らない道も歩く。新しい発見も既知の再発見も留三郎と行うことに意味があるのだ。だけどそう、来年もどうかと願うのは、欲張りすぎなんだと知っている。





路地裏に切り取られた青い空には長い雲が一つ。街のざわめきとはかけ離れた場所で僕たちはキスをする。ささやかなバードキスから息を奪う激しいキスまで。「留三郎…っ」苦しさと劣情に耐えきれなくなって肩を叩くとにやりと笑った顔が心拍数をあげた。これはたぶん、恋なんてかわいいもんじゃない。それでも確かに恋だった。





眠気に誘うのは留三郎の体温と心地よいリズムを刻んでいる留三郎の呼吸。ふふと息を吐き出して笑うと「なに?」ととろとろに眠気と甘さを混ぜた声が優しい。「幸せだなあと思って」いい夢がみれそう、ちゅっと音を立てて肩に口付ける。そうしたら目覚めのキスではなくておやすみのキスが降ってきた。あぁどんなに幸せな夢を見てもきっとこの幸せに勝ることはないんだろうなと思ってどうしようもないくらい幸福な気持ちのまま目を閉じた。





こんなにもそばにいるのに、心臓が痛いだなんてどうかしてる。例えばキスしても、抱き合ってもぎりぎりと胸を締め付けるなにか。「伊作はさみしがりだな」留三郎の笑い。「留三郎が隣にいるのに」拗ねたように言うと留三郎の指が頬に触れて泣きそうな顔でこちらを見た。「心がつながらないから?」そんなことないって言わなければいけないのに喉に引っかかったまま出てこない言葉は留三郎のキスに飲み込まれた。





「留三郎って本当は全然やさしくないよね」そんなことを言われたのは初めてだ。裸をそっと触れ合わせて、柔らかな伊作の感触を楽しむ午前10時。「そうか?」対処法が思いつかず困ったように首を傾げる。目線をあわせない伊作が「優しくなければよかったのに」呟いてこちらの肩に噛み付いた。





食べてくださいと手渡された女の子お手製らしいクッキーはひどく甘い。思いっきり顔を顰めて「甘い」と文句を言うと留三郎が「菓子作れる子よりご飯作れる子だな」と笑う。「ごめんね、どっちもしなくて」「伊作には俺が作るからいいんだよ」そういってキスされたから口の中の甘さも許せる気になった。





しゃっくりって百回すると死ぬんだっけ、と伊作が言った。それに対する返事は横隔膜の痙攣によって遮られ「…っそんなわけないだろ」なんて間抜けな音になる。そうだよねー本当ならそろそろやばいよね、とこちらの頬に触れた伊作はそのまま顔を近づけて「ねぇ、キスしたら止まるかな」と笑った。





ちゃぷんと留三郎が湯船を叩く音。ざぁざぁと流しっぱなしにしていたシャワーを手探りで止めて濡れた髪から水を絞った。「昔さぁ」ぽつりと零すと留三郎が顔をあげてこちらを見た。二人で入るには狭いだろう湯船に、もう一人分の場所がきちんと確保されている。その事が少しくすぐったくて湧き上がってくる照れ臭さに留三郎の顔を見ていられず視線を慌ててそらした。

「昔、なに?」

閉じきれなかったらシャワーからぽつりと滴が落ちている。留三郎の声は反響していつもより鼓膜を揺する。「あ、なんでもない話なんだけど」だから聞かなくてもいいんだけど、と言うと留三郎は風呂場にいるからだろう、いつもより柔らかに聞こえる声で「いいよ、伊作の話なら聞きたい」と言った。

「シャンプーするの怖かったんだ」
「なんで」
「だってその間ずっと目を瞑っていないといけないじゃんか、もしその間に後ろからお化けがきたら?とか考えたら怖くて仕方なかったんだ」

ね、つまらないでしょ?そういって留三郎の方をやっと見る。思いの外優しい視線がこちらを見ていて心拍数が上がった。その唇がゆっくり動いた。「今は?」もう怖くないのか、なんて普段聞かれたらからかっているのかと怒るところだけれど、緩やかな橙の照明の下、浴槽の湿った空気は僕にまともな思考をさせない。ちょっとと答えるとじゃあ伊作がシャンプーしている間はくだらない話しててやるよ、なんて一体何度惚れ直させる気なんだろう。





掃除機の音がうるさい。そう思いながら部屋を転がる掃除機を見つめた。長い足がたんたんと動く、留三郎は掃除をしててもかっこいいだなんてどういうことなのだろう。「僕、絶対同棲なんて無理だと思ったんだ」呟いた言葉は届いてはないだろう。大好きな人だからこそ日常をしったら幻滅すると思ったのに、杞憂だったようだ。





昼間のフードコートは子供のわめき声やくだらないお喋りで満ちあふれている。両手で持った紙コップからは緩やかに温かさとなぜか眠気を誘うコーヒーの香り。そっと伏せていた目をあげると文庫本に視線を落とす留三郎がいた。こちらの視線に気が付いた留三郎は、文字列から顔をあげた。「もう行くか?」そう聞かれたからぶんぶんと首を振ってまた視線をコーヒーに落とす。うるさいフードコートの中にいるのに留三郎の声だけはよく聞こえるなんて、本当にどういうことなんだろう。緩やかに浮かぶ茶色の波紋を数えてみたけど、早打ちを続ける鼓動の速度は余計に早くなるだけだった。





伊作は蜂蜜みたいな匂いがするな、そういって留三郎がお行儀の悪い犬みたいにうなじに鼻を押しつけてきた。なによりも蜂蜜みたいな留三郎の声は全身から染み込んでくる。「留三郎の声をきくと甘くなるんだよきっと」そうしてその甘さなしでは留三郎を生きていけなくさせるのだ。


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▽鉢雷


「私の世界に白と黒の二色しかなかったら、雷蔵は何色なんだろう」

三郎はたまによくわからないことをいう。謎めいているともいえるけれど。

「…謎かけ?」

慣れっこになってしまう自分は難しいことを考える前にヒントを乞うことにしている。寝転がっている上から覗き込むと首を振られた。

「じゃあ白く見えるか黒く見えるかってこと?」

それにも首を振った三郎はそれでも雷蔵は色づいて見えるんだろうな、とやっぱりわかるようで全くわからないことを言った。





「三郎は夕焼け色だね」

そんなことを言われたから慌てて全身を点検したけれどそれが一体何を差すのかわからず、雷蔵を見た。刺すような夕日が雷蔵の顔を橙に染めている。夕焼けのせいなのか、別の要因があるのか、雷蔵の顔はさみしさを持て余しているように見えた。

「夕焼けみたいに、やさしい」

泣きそうな顔で言った雷蔵の本意がそんなところにはないことはあきらかだった。


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▽竹くく


「へーすけ」

名前を呼ばれてそれからこちらの冷たい指先に竹谷の暖かい指が絡んだ。例えばその背中は予想外なことにこちらよりも少し低体温な竹谷は、だけど指先は暖かい。兵助、ちゃんと手暖めろよ冷え症なんだからと言われてもこれ以上に暖まる方法なんて知らないのだ。だからその手を待っていると・・・まぁ、死んでも言わないけど。





竹谷との恋はパステルカラーだ。 淡く描かれた恋のいろ。

「つまりもっと刺激が欲しいってことか」
「―まぁ、そうかも」

緩く頷くと後ろから抱きしめてくる腕が強くなった。なにかを期待しているかのような竹谷の息遣い。少しためらったようだったが結局竹谷はその言葉を口にした。

「じゃあ、するか?」

なにをなんて聞かなくてもわかる。だから笑って「中学生じゃあないんだから」と言ってやった。セックスイコール刺激だなんてさすがに子供じみているだろう。その言葉に拗ねたように竹谷がどうせガキだよといった。ふてくされたように吐いた息が耳をくすぐって、そのせいでぞくりとした感覚が背筋をかけのぼった。

「けど、いいよ、しよう」

その感覚に導かれるままに誘ってみせる。ほら、兵助だってしたいくせに。呟いた竹谷の息は艶やかな赤色だろうか。パステルカラーの恋を信じていたのは自分だけみたいだ。





もしこのまま緩やかに眠るように死んでしまったら竹谷は怒るだろうか。そんな甘ったるいことを考える。いつの間にか雲のない空には星が描く世界が広がっていて冷たい地面はその光に白く照らされて柔らかだ。竹谷が泣いてくれればいいのに、怒ってくれればいいのに、自分の死を悼んでくれればいいのに。もっと竹谷のそばにいたいと思えない自分はきっととてもずるくてひどい。





薄曇りの夜空、ぼんやりと半月。「あんま寒くねぇな」竹谷が吐き出した息は目に見えるものにはならずに耳をくすぐっただけ。薄明かりにできる二人の影は重ならずに揺れている。「もっと寒い方がいい」「へ?」お前寒いの好きだっけなんて答えた竹谷はもっとそばに寄りたい、もしくは手をつなぎたいなんていう真意に気が付いてくれるだろうか。
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