「改行が」じゃなくて「改行も」じゃないかと思う今日この頃
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竹くく*「愛に酔ってしまえ」
りゃおさん主催の竹くく企画に提出したものです。えへへ、りゃおさん素敵な企画をありがとうございました!いつもよりあまさを!そう、げろあま!と念じつつやったのですがいかがだったでしょうか?
少しでもにやりとしていただけたら幸いです。
本当はもっと余裕を持って日記を書くつもりだったんですがうっかりリビングに行ったらヒストリアがやっててですね・・・いつのまにかこんな時間(今日があと30分ほどで終わる)になってしまいました/(^o^)\
ヒストリア、たまにすごくツボに入ります。
時間泥棒にあったため、今日はついったろぐ食伊!
こんなもんだと思うんですが、既出のあったらすみません><
竹くく*「愛に酔ってしまえ」
りゃおさん主催の竹くく企画に提出したものです。えへへ、りゃおさん素敵な企画をありがとうございました!いつもよりあまさを!そう、げろあま!と念じつつやったのですがいかがだったでしょうか?
少しでもにやりとしていただけたら幸いです。
本当はもっと余裕を持って日記を書くつもりだったんですがうっかりリビングに行ったらヒストリアがやっててですね・・・いつのまにかこんな時間(今日があと30分ほどで終わる)になってしまいました/(^o^)\
ヒストリア、たまにすごくツボに入ります。
時間泥棒にあったため、今日はついったろぐ食伊!
こんなもんだと思うんですが、既出のあったらすみません><
*
気の抜けたソーダ水みたいだ、と留三郎が言った。なにをと聞き返すまでもなかった。留三郎の膝の間に膝立ちになった僕は「それくらいでちょうどいいじゃん」と返して、唇を落とした。ドラマティックな恋だとか、刺激的な事件なんていらなかった。僕には留三郎といる今さえあれば、それだけでいいのだ。
*
バレンタインだから、特別なことをする気はなかった。だけどなぜか右手にはチョコの入ったコンビニの袋。ご丁寧に包装されているような奴ではない、ただの板チョコだけど。「くれんの」「留三郎は一杯もらってるからいらないかもしれないけど」お前のが一番嬉しいだなんてチョコどころの甘さじゃない。
*
寒いホームで肉まんを頬張る。昼間だからか人は疎らで数メートル離れた先にいる女子高生の笑い声だけが確かに響く。「ねぇ、留三郎、ひとくちちょうだい」さきほどはいらないといったくせに伊作はそんなおねだりをしてくる。「だあめ」なんて言ってられるのは最初だけだ、結局自分は伊作に甘い。
*
疲れ切った身体に留三郎の体温は薬であり毒だ。背中合わせの体温がじんわりと身体中に染み込んで疲れをひとつひとつ解していく感覚はひどく中毒性があった。「伊作、疲れてるなら布団で寝ろ」確かにふかふかの布団だって恋しいのだけれど、留三郎の体温から離れるなんてもってのほかなのだ。
*
電車の中は快適な温度に保たれていて欠伸を一つ。僕が右耳で聞いている音楽を左耳で聞いている留三郎も船をこいでいる。膝の上に置いた鞄は目眩まし。その影でそっと繋いだ手に力をこめると同じように返された。体温がとろんと誘う眠気に耐えきれず意識が落ちた。
*
瞬きくらいの短い口づけ。唇は一瞬で離れて、だけど顔はすぐそば。間近で見る留三郎の瞳は黒く底が知れない。実際に底があることは知っているのだけれど、捉えられてしまえばあとは落ちていくだけだ。「伊作」もう一度、今度は息継ぎが必要な長い口づけがくることを知っているからそっと目を閉じる。
*
いつか殺し合うくらいなら、好きにならなければ良かった?こちらの上に乗っかって伊作はそんなことを聞いてくる。伸びた指先が首筋にからんで、息が詰まる。「―それとも、今ここで殺してしまおうか」涙がこちらの頬に落ちて、流れた。そんなことできるわけないこと、とっくに思い知ったはずなのに。
*
悪い奴は許さないんだって。伊作が笑いながらいった。付けっ放しのテレビには世界のために変身して戦うヒーロー。じゃあ僕たちも悪い奴だろうね。朝からこんなことして。こちらの胸板をなぞる伊作に濃密なキスをお見舞いしてやる。これのどこが悪いことなんだと思うけれどキスの最中だから言わない。
*
いつの間にかお日さまは山の向こうに消えていった。静かな夜の気配を胸いっぱいに吸い込む。隣で留三郎も同じように息を吸っているのがわかってふふっと笑ってしまった。似た者同士、なんて単語が頭をよぎったからだ。こちらを見て笑った留三郎が「行こう」伸ばされた手を掴むのを躊躇ったりしない。
*
「猫ならよかった」伊作がぼそりと言った。見つめるテレビの先には肩にのった猫。「肩の上にいたい?」「だって人間の形だと留三郎に始終くっついてるのは無理だもの」そんなことを言うこちらの背中にひっつく伊作についつい笑いがもれてしまってもしかたない。―まあ人間の方が俺は嬉しいけれど。
気の抜けたソーダ水みたいだ、と留三郎が言った。なにをと聞き返すまでもなかった。留三郎の膝の間に膝立ちになった僕は「それくらいでちょうどいいじゃん」と返して、唇を落とした。ドラマティックな恋だとか、刺激的な事件なんていらなかった。僕には留三郎といる今さえあれば、それだけでいいのだ。
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バレンタインだから、特別なことをする気はなかった。だけどなぜか右手にはチョコの入ったコンビニの袋。ご丁寧に包装されているような奴ではない、ただの板チョコだけど。「くれんの」「留三郎は一杯もらってるからいらないかもしれないけど」お前のが一番嬉しいだなんてチョコどころの甘さじゃない。
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寒いホームで肉まんを頬張る。昼間だからか人は疎らで数メートル離れた先にいる女子高生の笑い声だけが確かに響く。「ねぇ、留三郎、ひとくちちょうだい」さきほどはいらないといったくせに伊作はそんなおねだりをしてくる。「だあめ」なんて言ってられるのは最初だけだ、結局自分は伊作に甘い。
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疲れ切った身体に留三郎の体温は薬であり毒だ。背中合わせの体温がじんわりと身体中に染み込んで疲れをひとつひとつ解していく感覚はひどく中毒性があった。「伊作、疲れてるなら布団で寝ろ」確かにふかふかの布団だって恋しいのだけれど、留三郎の体温から離れるなんてもってのほかなのだ。
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電車の中は快適な温度に保たれていて欠伸を一つ。僕が右耳で聞いている音楽を左耳で聞いている留三郎も船をこいでいる。膝の上に置いた鞄は目眩まし。その影でそっと繋いだ手に力をこめると同じように返された。体温がとろんと誘う眠気に耐えきれず意識が落ちた。
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瞬きくらいの短い口づけ。唇は一瞬で離れて、だけど顔はすぐそば。間近で見る留三郎の瞳は黒く底が知れない。実際に底があることは知っているのだけれど、捉えられてしまえばあとは落ちていくだけだ。「伊作」もう一度、今度は息継ぎが必要な長い口づけがくることを知っているからそっと目を閉じる。
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いつか殺し合うくらいなら、好きにならなければ良かった?こちらの上に乗っかって伊作はそんなことを聞いてくる。伸びた指先が首筋にからんで、息が詰まる。「―それとも、今ここで殺してしまおうか」涙がこちらの頬に落ちて、流れた。そんなことできるわけないこと、とっくに思い知ったはずなのに。
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悪い奴は許さないんだって。伊作が笑いながらいった。付けっ放しのテレビには世界のために変身して戦うヒーロー。じゃあ僕たちも悪い奴だろうね。朝からこんなことして。こちらの胸板をなぞる伊作に濃密なキスをお見舞いしてやる。これのどこが悪いことなんだと思うけれどキスの最中だから言わない。
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いつの間にかお日さまは山の向こうに消えていった。静かな夜の気配を胸いっぱいに吸い込む。隣で留三郎も同じように息を吸っているのがわかってふふっと笑ってしまった。似た者同士、なんて単語が頭をよぎったからだ。こちらを見て笑った留三郎が「行こう」伸ばされた手を掴むのを躊躇ったりしない。
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「猫ならよかった」伊作がぼそりと言った。見つめるテレビの先には肩にのった猫。「肩の上にいたい?」「だって人間の形だと留三郎に始終くっついてるのは無理だもの」そんなことを言うこちらの背中にひっつく伊作についつい笑いがもれてしまってもしかたない。―まあ人間の方が俺は嬉しいけれど。
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